キミに夢中な俺‼
咲姫は下を向きながら
  「違う。
   蒼介を愛してるよ。」


蒼介は振り向いて、

   《《じゃあ何でだよ》》》》》
  《《なんで側にいないんだ!!》》
怒り任せにどなった。

咲姫は小さい声で

「あなたは、結婚しないって
 子供はまだいらないって言った
でしょ。
 だからよ

 《《《私は子供がほしいの!!
 蒼介の子供が欲しいからよ。》》
つい咲姫も怒鳴り返した。

「えっ!!なに?分からないよ。」

「あなたは、子供まだいらなくて
 結婚しなくていい人を探してよ。
 それで良いじゃない!
 違うの?」


     「ハ?!」



「俺が結婚したくないのは
 咲姫が、まだ23だからだよ。
 まだ遊ばせてあげたいんだ。


 旅行連れて行ったり
 デートしたり
 海外だって連れて行きたい。

 まだ若いし、やりたいことある
だろうそう思うと縛り付けたく
ないんだ。


 家事、育児、結婚となれば
 家の繋がりもでてくる。

 若い咲姫が可哀想だ。
 勿論俺は最大限に咲姫を大事にする。
 自信はある、しかし咲姫はどうだ、
 苗字を変える覚悟はあるのか
 結婚ってそう言うもんだろ。」


 「あるよ。
  蒼介とならある。」


       「咲姫…]

「話は終わりだよ。
 まだ蒼介には覚悟が見えない。
 別れよう。
《ウエエウエエェェェ》」

咲姫は、また洗面所へダッシュ。

背中をさする手はやはり暖かい。

「ウエエェま、迷わないで
 惨めになる。
 帰って、
 じゃなきゃ、私が帰るから…。」


「迷っていない。
 いいのか?
 30年たった頃、

  若くして結婚して損したーとか、
  もっといい男いたはずーとか、
  だまされたーとか俺のはげた頭
  たたいたりしないか?」


 ギュウギュウ抱きしめられ
突き飛ばす
 蒼介は唖然!

「咲姫!痛い。」

 ドンと倒れた蒼介は尻餅をついた。

 「だって赤ちゃん
  苦しそうだったから! 」

「大丈夫、騙されたも、
いい男がいたかも、も、
はげた頭も磨いてあげる。

 ペカペカにね。」

突き飛ばされたままの蒼介は
目がいっちゃったまま動かない。

  
     「オーイ!
      蒼介!
      そうーすーけぇ~。」

「あ、アア、ア?
 ゴメン!
 赤ちゃんって聞こえたけど?
 間違い?
 聞き間違い?」

 「ううん、2ヶ月だよ。
  蒼介パパになるんだよ。
でも無理にはなってくれ
無くていい。
私は覚悟してる。」




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