キミに夢中な俺‼
確かめる為悠人にLINE
高い物をおねだりしてみる。

「ヴィト○の財布幾らくらいかな?」

   
「欲しいの?」

 「ウンウン。
  くたびれてきたから
  いい財布ほしいかなーって
  思ったんだ。」

商店街のワゴンの中でパッと
見つけた大きな花柄の財布。

ピンクの花とちりばめた青い花の
凄く自分好み。

 金欠だった学生時代
 2千円の売り出しが
買えなかった。


      なのに。

「そっか、わかった。」

 ええ~っな、なにが
分かったんだい?
 と聞き返したかった。

「プレゼントするよ。
 寂しい思いさせてるし、
 罪滅ぼしだよ。」

彼は数十万の財布を
簡単に買ってくれると言う。
 
 
 学生の頃

 一度通り過ぎ商店街を抜けたが
 どうしても頭から離れず
U ターンして駆け寄り買いました。

 値切って値切って¥1500


 その日から3日食パンだけの生活。
 そんな思いで買った財布なのに
 彼は高すぎる財布を、
 即答で買ってくれると言う。
 やはりただ者ではなかった。


「悠人、冗談だよ。
 今使ってる財布がいいの。
 本気にしないでよ。

じゃっ待たねー!
構って欲しくなったら
また
驚かしのメールするからね。

ちゃんとかまってね。」

 「なんだ、冗談かよ。
  喜代乃のオネダリ嬉しかったの
に!!。」


私のマンションはセキュリティーを
一番に考えて駅か、
バス停が近ければ
少し遠くても良いと思って
今のマンションに決めた。

そういえば
悠人の住んでる場所ってどこだろ。
いっも6人で合って悠人が此処まで
送ってくれて
次の日悠人は帰って行く。

    どこに帰るんだ?



今更ながら悠人の所在地を知らない。
連れて行ってもらってもいない。

今頃?

付き合い始めて一年も、過ぎてると
言うのに。

「ホラ!食べな。」

お昼に、おばちゃんは玉子焼と
ベーコンの野菜巻きを、くれた。


「彼氏と喧嘩でもしたかい?」

美味しそうなデッカいおにぎりを
かぶりつきながら、話し掛けて
くる。

「いえ、彼氏の家に行ったことなくて、
 今頃気づいたんです。
 なんでかなーとか思って、」

 「あ~そりゃね。
ナルホドね

  つれてかないのはつれて
  かれないからか…ね。
理由が・・あるんじゃないかね。

  彼氏じゃないからわかんねーけど。
  なあに、人生もっと大変な
  ことあるさ。

ドンマイドンマイ‼」






< 59 / 83 >

この作品をシェア

pagetop