キミに夢中な俺‼
それぐらいで負けてどうする。
あんたは立派な体があるだろ。
目もあるし口もある。
走れるし、食べれる。
有り難くて涙がでるよ。
自分の有り難さに気ずきなさい。
上を見ればキリがない。
下を見ればキリがない!
な!! 」
おばちゃんは訳わからない慰め
をしてくれる。
パッとみて、分かるほど落ち込
んでいたらしい。
咲姫と蒼介さんを見ていて自分も
いっかは悠人との未来を
夢見てたのかもしれない。
御曹司VS生活苦のアテクシ。
家柄も育ちも金銭感覚も全然ちがう。
「婆ちゃん。美優ちゃん新しい長靴
買って貰ったんだって!
喜代乃もホシイ~
買ってよ~」
「分かった!!
だいぶきつくなってたからね。
今度婆ちゃんと休みの日に
買いにいこうか!!。」
「うん。バーちゃんありがとう。」
それから婆ちゃんは約束通り
赤いウサギの絵柄の入った長靴を
買ってくれた。
その日から
「婆ちゃんご飯食べないの?」
「ああ、ジーちゃんと食べるよ。」
婆ちゃんはジーちゃんが帰って来た時
ジーちゃんには
「喜代乃と先にたべたから。」
と言ってた。
後から聞けば、その時の暮らしに
困っていた訳ではない。
これから大学まで出すときに、お金は
あった方が良いと思ったそうだ。
それでなんとか決めた金額で、
抑えてくれてたようだ。
なあに、1日食べなくても大丈夫。
そう笑い飛ばしていた。
私の記憶では3日だったと思う。
多分美優ちゃんよりずっと高い長靴
を買ってくれたのだと思う。
傘も、レインコートも…
感謝しか無い。
婆ちゃんの口癖は
「身の丈に合った生活。
結婚相手も、家柄が合うような
所に行かないと、後々苦労する
からね
優しい思い遣りのある人を
みつけなさいね。」
私が婆ちゃんの家に居なかったら
二人は悠々自適な生活が送れたのに、
此からは私が2人を支える番だ。
幼稚園から大学まで出してくれた。
お昼からは社長室とか専務室とか
重役の部屋の清掃だ!
仕事は仕事、プライベートは
プライベート
給料もらってる以上しっかりと
こなす。
専務室に入ると秘書室があり
その先にデーンと専務室の
看板があった。
看板ゴールド
しっれいしまーす。
悠人は居なかったが背広の上着
とか、デスクにはフランス語か、
イタリア語の走り書きと書類が
沢山あった。
論さんも蒼介さんも
頭良いのはよく分かる。
私達には理解出来ない会話で
盛り上がったりしてるし
朋美さんも三田さんも見た感じ
かなり頭がいい。