キミに夢中な俺‼


「じゃ、悠人にこれ以上、怒られ無い
 うちに帰ろう。」 

着物を着直すつもりで着物を
脱いだ。
型崩れした着物姿は道を歩けない。

襦袢を着直していると


サワーっと風が吹いて喜代乃の肩から
ピンクの着物を羽織らせられた。
着物の中に悠人の匂いがした。

さっきの甘い、おたかそうな香水
じやない。

「えーっ、ダメだよ。
 高いんだから。
 汚れちゃうよ。
誰のかわかんないけど
 叱られんじゃん。」


「好きな彼女にプレゼント。
 論も買って紬に着せてただろ。

 論の送った着物を着た紬が
 うらやましかったよ。チュッ
レンタルが嫌いな訳じゃない、
俺が、喜代乃の為に買った着物を
喜代乃が着ていないのが
不満だったん
だ。

    
   「ええー。私のなのーっ。」


 「着物買ってたなんて、
知らないよー
要らないよー…。
  お金・・・無いもん。
払えないよー
  キッキッなんだから‥

  お祝い金も包んだし、
  ゴメーン。
  出す金無い。
  見ただけで充分。
  ありがとう。
  私返してくるから‥」



「ハアアァァ`ε´
 お前馬鹿じゃない、聞いてた?
 プレゼントってたろうがぁ!!。」


あれれれ?
「悠人って着物嫌いデショ、
 何で買うのよ~。」



ああ、
「あの人に要らないって
言われたの? 」



悠人は、バツが悪そうにうなだれて
「ゴメン、あの時はお前に、
 相手にされなく
 寂しかったんだ。
 喜代乃の着物姿があまりにも
 綺麗で…

なのに俺の買った着物を
着てないだろ
許せなかった。
 つい!心無い事を言ったょ。
 あんな事思っていない‼」

    「ええー。」

「この着物は既製品ではあるけど
 それなりの呉服店から買ったんだ。
 喜代乃の写真を見せて
 

 喜代乃に似合うように
 色々店主と相談しながら
 俺が選んだ。

 喜代乃の為に。
 受け取ってほしい。」


えーっ、「くれるの?」

「自分の彼女に贈り物は
 大抵の男はしてると思うぞ!!」



  
喜代乃は着物を襦袢のうえから
あててみる。

「うワァーステキ。
 アア~ン着たかったよ!
 早く出してくれたらよかったのに‥。」



ペチッ
「だから着拒、ブロック、居留守!! 
 で、渡せなかったのっ(怒)!!」

イテッ‼

喜代乃は何度も羽織りくるくる
回ったりしている。


ウワァウワァいいながら…。

チラチラ見える白いうなじ
上前を払う仕草でチラチラ跳ねる
襦袢!!
その間からのぞく太股!!

悠人は、我慢の限界を超えて
しまいました。



ダメダメダメダメ不倫だよ。
悠人は、あの人がいるんだから。
    ムリ!!
結婚相手みたいに振舞ってたじゃん。
これ以上無いくらい拒絶した。


悠人は、お見合い断った事を伝えた‥。




「ええー。な、な、なんでーよ。
 あんなに気に入ってたじゃない。
 ちゃんとあやまりなよー。
 駄目じゃん。
 君がほしいってたじやーん。
 何で、何で、

 まさか私が可哀想になったの?
 気にしないでいいって
 ごめんなさい、
 御免、悠人。
 早く早くいきなよ。
 あんなに好き好き言ってたじゃない。
 諦めたらだめだよ。
 悠人は、好きな人を選んでよ。」

悠人は、ギュュウと抱きしめて
必死に声を出して言った。


「俺は‥
 喜代乃しか愛せない。
 謝ったよ。
 あいしてなどいない、
 欲しいのは彼女じゃない。
 喜代乃だよ。

 お前が俺から逃げるからだ。
 お前が全て悪い。

 喜代乃もう俺を許してくれよ。」

ウルウルしなが許しを乞う。

「 彼女にはビンタで許して貰った
よ。」


 
「エッ‼ アッ‼そのか、顔少し
腫れてる?」

悠人はホッペを撫でながら
「喜代乃を取り返す為に、
頑張った。クスクス
痛かったよ、思いっきりやられた。
当然だよな。
彼女にはなんと詫びたらいいか、
分からない。
清代乃の気を引く為だったとは
言え、申し訳無かった。」




「彼女、それなりにお嬢様
・・・なんだよね。
私選んでも何にもないよ。

爺ちゃん、婆ちゃんしか
大事な物持ってないし、
裕福でも無い、
私何も、持って無い・・・よ。
悠人の親だって、反対する
よ。」


「大丈夫。
喜代乃の持って無いものは
俺が頑張る‼

喜代乃は、傍に居てくれたら
それでいいんだ。」


・・・・・・・・・・・・?
金持ちの考えてる事は分からない。
・・・・・・でも‼


喜代乃は思った
愛してくれてるから
いいかぁー。





悠人がマンションに、喜代乃を連れて
来なかった理由は、なんと葵さんが
たまに泊まりに来るからだそうで

葵さんの物が沢山置いて有る
からだと‥
弁解してました。
変な誤解はこりごり。

その何日か後、悠人と新幹線に乗って
喜代乃の祖父母の家に結婚の挨拶に
行きました。
悠人は、紺のスーツ
喜代乃はピンクのあのすったもんだの
たっかーい着物。



じいちゃんもばあちゃんも
もう若くはないけど

まだまだ元気!
悠人は、ばあちゃんの

もてなし料理を大変気にいって
もう少し祖父母の家に行けるように
一時間くらいの所に引っ越す
予定です。

ばあちゃん、じいちゃんには
寂しい思いはさせないからと
ありがたい言葉をくれました。


恵美さんの事が気になって
悠人が調べてくれたら
某有名会社の御曹司と付き合って
いるらしい。

彼女には本当に幸せに
なって欲しい。




 
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