優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
それから、数日が経って、ひなこちゃんが私に話しかけてきた。

久しぶりに…

『大家さん、私、ここを出ます。颯君の顔見るのつらいし。あなたのことも、これ以上嫌いになりたくないですから…楽しくもないのに笑うの…もう疲れたから』

ひなこちゃん…

そんなこと言わないで…

ごめん、本当に…

せっかくここを選んで来てくれたのに。

『今日、夕方のバスで出て行きます。お世話になりました…颯君にも、みんなにもよろしくお伝え下さい』

『ひなこちゃん、本当に出て行くの?そんな急に?』

『はい、止めても無駄です。一人暮らしする部屋も、もう見つけてますから』

驚いた…

決意は固いんだね…

『…わかった。ひなこちゃんの新しい人生、応援してるよ。本当に。何もしてあげられなくて、ごめんね』

『…ありがとう…ございました』

今日は、3人ともいない、お母さんも。

夕食前になって、ひなこちゃんは出て行った。

智華ちゃんに続いて、ひなこちゃんまで…

私、大家さんとしては、最低だな…


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