優しい愛に包まれて～イケメンとの同居生活はドキドキの連続です～

美大も休みみたいで、颯君は、部屋にこもって、頼まれた挿絵のお仕事を頑張っていた。

そういう仕事をたまに入れて、収入を得ているようだ。

だけど、別荘に住むようになってから、バイトも探して、近くのスーパーの惣菜売り場で働くようになった。

偉いな…颯君も。

私もたまに買いに行く。

美味しいんだ、颯君が揚げる唐揚げ。

見える場所で調理してて、お客様と直接話しをしながら売っている。

愛想の良さと、あまりにオシャレなイケメンぶりに、颯君がバイトの時は、売り上げが明らかに上がるらしく、店長が喜んでいた。

『大家さん。今日は、私、友達と出かけてきます』

可愛いワンピース姿のひなこちゃんが、階段から降りてきて、そう言った。

『そうなんだ、夕食はどうする？土日は自由だから遠慮なく言ってね』

『今日は、いりません。友達と食べて来るんで。美味しいパスタのお店があるんですよ。大家さんも是非行ってみて下さいね』

『ありがとう、いつか行ってみたいな』

ひなこちゃんは、彼氏と会うのかな？

そんな話をする余裕は、まだなかった…

それに…

なかなか名前で呼んでもらえないのも、少し寂しかった。