優しい愛に包まれて～イケメンとの同居生活はドキドキの連続です～

私がそう言うと、祥太君は、決意したようにうなづいた。

『…うん、ありがとう…俺は今、楽団に所属してて、ピアノを弾いてるけど、それが俺の人生にとって1番いい選択なのか、迷ってるんだ…』

『そうなんだ…祥太君が所属してる楽団は、とっても有名で、コンサートとかしても、チケットも即完売でなかなか取れないんでしょ？』

『有難いことに、そうなんだけど…実は俺、家の仕事を、将来的には継いでくれって言われてて…』

『家のお仕事？どんなお仕事をされてるの？』

祥太君は…黙ってしまった。

『どうしたの？大丈夫？』

『…ごめん、大丈夫だよ。結菜ちゃんならわかるかな…大企業の社長さんの娘さんだから』

え？私のこと知ってるの？

私が驚いたような顔をしたら、祥太君が言った。

『ごめんね、俺がここに住みたいって言ったら、親が勝手に調べたみたいで。それで、有名な製薬会社のお嬢様なら大丈夫だ…みたいになって、家を出ることを許されたってわけ』