優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
『そうだったんだね…』

『会社を継げって言われてるのに、好きなピアノを諦められなくて、楽団に入って…つまりは逃げてるんだ、俺。大学で経済学を学んでたから、親は、当たり前に一人っ子の俺が継いでくれるって思ってたみたいで。でも、その期待には答えられなくて…今に至ってしまってる』

思い詰めた顔の祥太君。

『24にもなって、まだ答え出せなくて…情けない。父親は、社長のポストをいつか俺に譲りたくて、そのために、自分の会社で働いて、いろいろ勉強して欲しいってずっと言ってるんだ』

『やっぱり言いたくない?祥太君のご実家が、どんなお仕事をされてるのか…差し支えなければ話して…』

『…食品関係とか、いろいろかな』

『食品関係なんだ…うちとは全然違う職種だね…って、まさか、山崎祥太ってことは、山崎フーズ?』

だとしたら、うちなんか目じゃないくらいの、だ、だ、大企業!!

『…うん、そう』

『びっくり…すごいね、祥太君は大手企業の御曹司なんだ…』

< 43 / 180 >

この作品をシェア

pagetop