優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
真っ白なキャンバス
『結姉、さっきはごめん…』

『あっ、颯君』

部屋に戻ってた颯君が、2階から降りて来てた。

『…目が赤い…結姉、泣いてた?』

『何でもないよ、大丈夫』

『祥太君と一緒だった?今、2階で会ったから』

『…あ、うん。祥太君がピアノをね』

『ふ~ん。なんかいいよな、ピアノは』

颯君、不機嫌?

『どうして?』

『…ピアノは、弾いてすぐに相手に思いを伝えられるのに、絵は…そういうわけには行かない』

颯君…

『ピアノも絵も、私はどっちも素敵だと思ってるよ。颯君の絵も、一筆一筆に思いがこもってるんだよね』

『…結姉、今からモデル頼める?』

私は、うなづいた。

そして、2人で颯君の部屋に向かった。

10畳ほどある広めの部屋。

イーゼルに立て掛けられた、大きくて真っ白なキャンバスが目に飛び込んできた。

コーディネートカラーの黄色が、部屋を明るく感じさせている。


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