優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
それから数日して、私の絵が完成した。

すごく素敵で、体が震える。

完成前から、最終工程は見ずにいたから、あまりの出来栄えに驚いた。

『これが私?こんなに素敵な絵が私だなんて、ちょっと綺麗に描きすぎだよ』

『見たままだから。もちろん、気持ちも込めた。結姉のみんなを包む優しさ、みんなを元気づけようとする明るさ、そして…時々見せる寂しさも。全部、ここに込めたから』

颯君…

『そうなんだ…ありがとう…嬉しいよ。こんなに素敵に描いてくれて。でも、この絵、どうするの?』

『…この部屋に飾っておく。イーゼルに立てたまま』

何だか恥ずかしい…

『…いつか、この絵、私にちょうだい』

『さあ、どうしようかな』

『意地悪なんだから』

私は、颯君と笑い合った。

本当に、ありがとう。

嬉しいよ、絵が完成して。

『今度は料理。料理教えてよ』

『颯君、料理好きだもんね。うん、いろいろ手伝ってくれたら嬉しい』

『じゃあ、エプロンだな、次は。明日買いに行って来るよ』

『うん、いいね。でも、颯君も忙しいんだから、あまり無理しないでよ』

『無理なんかしてないよ。毎日楽しく過ごしてる』

『…なら、良かった』
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