優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
あの、素晴らしいピアノ。

私のために?

私だけのためにって…

そこに、注文した料理が運ばれて来た。

『お腹空いたね、食べよう』

祥太君は、料理を口にした。

私も…ドキドキしながらも、食事をした。

あんまり味がわからなかった。

食事を終えて、私達は、傘をさして、駅までの道のりをゆっくりと歩いた。

人通りはまばらだった。

『…結菜ちゃん』

名前を呼ばれてドキッとした。

『…はい』

『ごめんね、改まって言うの、恥ずかしいけど…俺、決めてたんだ。今日のコンサートの後で必ず言おうって』

立ち止まって私を見る祥太君。

雨は、少し小降りになって来た…

『結菜ちゃん…』

真剣な眼差し。

少しだけくちびるを噛み締める。

そして、ゆっくり口を開いた。

『俺、あなたが好きです。出会う前からずっと…』

『…祥太君…』

『好きだよ、本当に。俺、もう、結菜ちゃんしか見えてないから』
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