Campus Love~学内恋愛~
さて、現在、ユウキは、都市部にマンションを購入し、毎日、車で約40分くらいかけて、郊外にあるこの大学に通っている。



授業は、週に、大学院の授業が2つ、学部の授業が4つほどで、それほど多くはないが、立場上、会議が月に30回以上ある。



とくに、学部の授業のうち、大講義室での講義がたいへんで、受講者が300名もいる授業もある。



今日は、その授業の日だ。



ただし、その授業の場合、学生の名前は絶対に憶えられないし、出席管理や成績づけが大変だ。



ティーチング・アシスタントの大学院生に出席管理を手伝ってもらっているが、遅刻や代返、出席カードの偽造、カンニングなどへの対処も多々ある。



大人数のため、私語や居眠りも多いし、ユウキは、その大講義室での講義があまり好きではない。



ユウキは、いつものように気のすすまないまま、大講義室へと向かった。



そして、大講義室へ入ると、いつものように、出席カードを配り、教壇へ立った。



すると、遅刻した学生が後ろのドアからゾロゾロと入ってくる。



ユウキは、講義室の後方へ目をやった。



すると、その瞬間、ユウキは目を疑った。



「うん? ミヒロ?」。
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