流転王女と放浪皇子 聖女エミリアの物語
特別賞受賞のご挨拶(後書きにかえて)
 犬上義彦と申します。

 このたび、この作品が第一回ベリーズカフェファンタジー小説大賞において特別賞をいただくこととなりました。

 審査員の皆様、審査期間中から本棚登録をしてお読み下さっていた読者の皆様、そして、これからお読み下さる皆様に厚く御礼申し上げます。

 さて、これを機会に、拙作についていくつか記しておきたいと思います。

 旅が好きです。

 これまで何度もヨーロッパ中世の史跡を巡ってきました。

 フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、この作品に掲載してある画像は私が旅先で撮影したオリジナル写真を絵画風に加工したものです。

 フランスのプロバンという中世の街を訪問したとき、城壁の上から周囲一面に広がる小麦畑を見て、この物語の世界や登場人物達が突然頭の中に思い浮かびました。

 それは本当に驚くほど鮮明なイメージで、しかも物語の全体像が一瞬のうちに私を包みこむというこれまでに経験したことのない出来事で、タイムスリップをして中世の世界に飛ばされたかのような感覚でした。

 あまりにもリアルな感覚で、キャラクターたちと会話し、彼らと共に行動し、いわゆるキャラが勝手に動き出す状態となり、私はただそれを書き留めていくだけで作品ができあがっていきました。

 それはとても楽しく、幸せな経験でした。

 そして、今、それが評価され、名誉ある賞をいただけたことに大変感謝しております。

 受け止め方は人それぞれだとは思いますが、彼らには彼らの生き方があり、作者はただそれを傍観しているに過ぎません。

 彼らの見た景色、選んだ生きざま、そのありのままをお楽しみいただければ幸いです。

 流転の先にある景色。

 それが何なのか。

 私もまた次の作品を探求していきたいと思います。

 ではまた、次の作品でお会いいたしましょう。

 このたびは本当にありがとうございました。

                            犬上義彦

(当方、SNSはやっておりませんので、このような形でご挨拶を述べさせていただきました)
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