この結婚の行方は・・
F**動きだす1️⃣

私の名前は・・・・

山田 季織 25才

この年まで生存できていることを
不思議に思いながら生きている。

私は、幼少の頃から心臓が悪く
入退院を繰り返している。

両親は、病弱な私を
大切に大切にしてくれた。

京都でも大きな老舗の呉服屋
跡取りが、こんなんで
辛いと思うけど。
いつも二人とも、私に優しかった。

祐而さんが・・・・
私に本気ではないことは
わかっていた。

私を可哀想だと
思ったのだろうが・・・
病気だった、
祐而さんの養母の小夜さんを
見ていてから・・

長い病院生活で
寂しく退屈をしていた
荒んだ私に
とても優しかった・・祐而さん。

そんな彼を
好きになるのに
時間はかからなかった。

私が彼と恋人と言う名になったのは、
私が、18才の時・・7年前・・
世間からは、
安田財閥の総帥のお戯れだの
ゲイを隠すためのフェイクだの
同情だの
色々言われた。
愛人だと言われることが
多かったが・・・
本当に、愛人になっちゃった。

祐而さんは、
「俺が、大切なのはお前だけだ。
だから、お前を守るためなら
何でもする。」
と、結婚を決めた時に言ったが
私には、
なんの事なのか、良くわからなかった。
だが、祐而さんの顔が辛く悲しそう
だったから。
「私は、大丈夫です。
私は、祐而さんが幸せなら
それで、良いのです。」
と、伝えると
祐而さんは、深く、深く
私に口付けをした。

私は、それに応えるのが
精一杯だが・・
彼は、季織、もう少しだけ良いか
と、私をベッドに寝かせ
首や胸に唇を這わせ
あまがみし、吸い上げていく
口からは甘い吐息が漏れる
祐而さんの目は、妖艶に輝いているが
彼は、決して最後までは
しない。
私の身体の負担を考えて・・・

私は、大丈夫と
何度も伝えたが・・・

彼と体の関係だけの女性の所に
いってしまうのが嫌で
言っていたのだが
彼は、聞き入れてくれずに
私の身体を綺麗に拭いて
部屋着を着せてくれて
おでこにキスをして
車に乗せて
送ってくれた。

ここは、京都で
私と祐而さんが会う為だけの
部屋。
綺麗なマンションの一室。

祐而さんは、
毎日、一度は、必ず電話をくれて
季織、今日は何をしていたんだ?
身体の調子は良いか?
と、聞いてくれた。

だが・・・
結婚が決まってからは、
毎日が、一日おきに・・
二日おき・・と・なり・・
終いには、一週間ない日々もある
その上、かかってきても
荒れている事が多く

そんな彼の態度が初めてで
どうして良いかわからず
彼の変化に
自分も辛くなり・・・
私は
「お忙しいでしょうし
お辛いなら、私の事は気にされないで
ください。」
と、言って電話を切ってしまった。


その一週間後
私は病院に運ばれた。

私は、運ばれる時に
両親と私の乳母に
「病室には、何方もいれないで
ください。」
と、お願いした。

入院して一週間後
やっと意識をとり戻した
私の元に
とても綺麗なお医者様が見えた。
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