この結婚の行方は・・

その様子を見ていた
おばあちゃまが、
甲斐さんの耳元で何かを話し
甲斐さんが動いた。

甲斐さんが、電話をおばあちゃまに
渡し・・・・
「あっ、お兄様、葉梛です。
はい、はい、身体は大丈夫ですの。
今日は、少しお願いがございまして
はい、孫の穂乃華が脅されているようなの
渋沢の大ちゃんと浅野の良ちゃんにも
お願いして安田の会社潰して。

あら、そうですね。
ありがとうございます。

はい、近い内に
穂乃華と遊びにあがりますわ。」
と、言うと甲斐さんに電話を渡し
素知らぬ顔をした。

「えっ、潰すって
おばあちゃま、どういうこと?」
と、穂乃華が訊ねると
「穂乃華さんは、知らないのかな
葉梛さんは、大倉財閥のお嬢様だ。

お兄様の篤さんは、大倉財閥の当主
それは、それは、
葉梛さんを可愛がられておる。

それに、
渋沢財閥の大介様、
浅野財閥の良一様は、
葉梛さんの幼馴染みだ。

そこに、古河財閥が入れば
安田家なんぞ、
赤子の手を捻るようなものだ。」
と、安田会長。

それを聞いて穂乃華は、
「嘘っ!!びっくり。」
「あら、穂乃華は、知らなかったの?」
と、呑気なおばあちゃま。
「でも、安田の晃二郎さんとも仲良しよ。
ねぇ。」
と、安田会長に笑って見せた。

祐而と安東が、
わなわなしている姿を見て
安田会長は、
「そんな事も知らずに、ばかもんが!!」
と、二人を怒鳴りつけた。

頭を垂らす二人に
「お前は、仕事は出来る。
だがな、人としての心がない。
京都に大事な人がいても
彼女の身体を気にする真似事ばかり
彼女の両親の気持ちを考えたことがあるか?
安田に逆らえずに
回りから、御加護をもらっているように
言われながら、大事な大切な娘を
妾みたいにされて。

その上、性欲を処理する女なんぞ
あちこちに置いて。

お前は、荒療治するしかないと
思ったんだ。」
「ですが・・会長」
と、祐而が言ったときに
車イスに乗った季織が入ってきた。

車イスを押す丈太郎と目をあわせて
穂乃華は、微笑んだ。

たぶん、話は聞いていたはず。

「季織っ、季織、今まで何処にいたんだ?
心配していたんだぞ。」
と、半狂乱の祐而。
< 32 / 39 >

この作品をシェア

pagetop