この結婚の行方は・・
I**それから

二年後・・・

「穂乃華先生、樹(いつき)は大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。心臓も問題ないし
健康そのものだよ、季織ちゃん。」
「良かった、ありがとうございます。」

樹君は、季織ちゃんと祐而さんの
子供だ。

あれから彼は、毎週時間を作り
京都に通い、季織ちゃんと
両親に詫び、季織ちゃんに
気持ちを伝えた。

はじめは、すぐに追い返されて
いたらしいが。
季織ちゃんのご両親が
あまりにも無下にする季織ちゃんを
説得したらしい。

すると、ドタバタバーン
「季織、先に行くなって。」
と、季織ちゃんを溺愛する
祐而さんが現れた。
「もぅ、祐而さんうるさい。
樹がビックリするじゃない。」
「ああっ、すまん。」
と、言うと
「パッパ~」
と、祐而さんに手をだす樹君
「樹、おいで。」
と、抱き上げて
ほほずりをする祐而さん。

樹君は、くすぐったいのか
「きゃっ、きゃっ」
笑っていた。

私は、そんな彼を見て
変わったなぁ、と感心していたら
「先生、ありがとうございます。」
と、祐而さんが・・
「クスクスっ、はい、お父さん
樹君は、どこも問題ないですよ。」
と、言うと
照れながら、頭をかいていた。

そんな、私達を季織ちゃんは、
嬉しそうに見ていた。

季織ちゃんが
「わざわざ、休まなくて良いと
言うのに、毎回行くときかなくて。
本当は、穂乃華先生に会いたいのでは
ないかと、疑いました。」
と、ペロリと言う季織ちゃんに
「なにっ、お、バカな
俺が愛しているのは、季織だけだ。
なぁ、樹。」
と、祐而さん。

季織ちゃんは、真っ赤になっているし
「良かった、幸せそうで。」
と、私。
「はい、とても幸せです。
社長婦人の仕事は、いささか辟易して
いますけど。」
と、笑いながら話す季織ちゃんは、
凛としていてとても美しい。

三人を入り口まで、送ると
スッと、手を握られた。
「丈太郎、さぼっていたら
尚ちゃんに叱られるよ。」
「合いたくなった?瑤(はるか)に。」
「うふふっ、そうだね。
ちょっとだけ、キッズルーム覗いて
来ようかな。」

瑤は、私と丈太郎の子供。
一歳になる男の子
瑤が産まれたとき
尚ちゃんが院内に保育園をつくってくれた。

その名も『キッズルーム』
病院のスタッフが安心して
働けるようにと。

丈太郎と二人で
そっとだけ覗いて仕事に戻った。
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