学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「ニセ美麗っ!!」



ガシッと両手を掴まれる。


待って待って待って。

さっきまでナメクジでも見るような目だったのに、なんなんですか この変わりよう。

むしろメチャクチャ嬉しそうな顔なんですけど……。



「まさかお前っ……!!」

「うっ……」

「……唐草 美麗のファンだなっ!?」


「…… は ぁ ? 」


「やっぱりそうだよなぁーっ。 唐草 美麗っ、メチャクチャ可愛いしっ」

「……」

「俺も美麗のこと好きなんだっ。 さっきは悪かった、美麗のファン同士仲良くしようっ!!」



あぁ……なるほど。

私が唐草 美麗を知ってたから勘違いしてるんだ。

某SNSで、1万人以上にフォローされてる高校生……「唐草 美麗」のファンだ、と。



「えぇっと……はい、実は唐草 美麗のファンです……」

「なんだよーっ、それなら隠すことねぇじゃんっ」

「あはは……。 さっきはちょっと、驚いちゃって……」



本当は“本人”を知ってるけど……それを言ったら かなり面倒臭そうだから、黙っておこう……。

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