学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
……和真。
頼むから変なことは言わないでよ……。
そう祈りながら、和真の携帯へと電話をかけた。
「テレビ電話にして」
……という彼女の要望を受け入れながら。
なんで弟とテレビ電話で話さなきゃいけないんだ……と不服に思いながらも、和真が出るのを待つ。
……のに、いっこうに出ない。
もう8回くらいコールしてるんだけど……。
「……何やってんのよ、あの馬鹿……」
イライラしながらそう呟いた時、ようやく電話が繋がった。
『姉ちゃん、急にどうしたの? テレビ電話なんて初じゃない?』
「……出るのが遅い」
『ごめんごめん、教室だったからさー、廊下の隅まで移動してたんだ。 で? もうすぐチャイム鳴っちゃうんだけど、なんかあった?』
「今、マルとトラくんのファンの子たちと一緒に居るんだけど、和真に聞きたいことがあるんだってさ。 電話代わるから、質問に答えてやって」
『あぁ…はいはい、りょーかいです』
何かを悟ったような顔…を見せた気がする和真は、途端に面倒臭そうな顔をした。