学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
だけど、彼女たちに電話を渡す直前には いつもと変わらない笑みだった。
『こんにちは。 あぁいや、おはようございます…かな? 初めまして、そこに居る早乙女 美麗の弟の和真です』
「……あ…初めまして……。 あの…早乙女さんの弟って、ほんと……?」
『はい、本当です。 あ、学生証見ます? 弟っていう証明にはならないかもしれないけど、名前に間違いはないっていうのは証明出来ると思うので。 えーっと……これで見えます? 大丈夫ですか?』
「う、うん……見えるよっ……」
どうやら和真は、カメラに学生証を掲示したらしい。
私の立ってる場所からは、携帯の背面と画面を凝視してる3人の顔しか見えないけどね。
……和真と喋ってる女子は、すっかり しおらしくなっている。
横から覗き込む他の女子たちも同じ。
画面越しではあるものの、美形の男子を前にしてるんだから当然…か。
私に敵意を向けていた時とは まるで別人だ。