学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「あのっ…和真くんはマルとトラくんの友達だ、って聞いたんだけどっ……」

『はい、友達ですよー』

「……そうなんだっ。 えっと、どこで知り合ったのか…聞いてもいい?」


『隣町のゲームセンターに、対戦ゲームがあるの知ってます? 俺と円くんは そこで対戦したことがあって、色々話してるうちに友達になったんです。 トラくんのことは円くんに紹介してもらいました。 「俺の親友だよ」って』



……聞かれたことに間髪入れずに答えてる。

返答に迷えば、相手はこっちを疑ってくるけれど……こんなにも淡々と、当たり前のように述べられたら「真実だ」と思う以外はない。


和真とマルの出会い方は、全然違う。

当然、トラくんとの出会い方も違う。

だけどきっと……ゲームセンターで遊んだっていうのは本当なんだろうな。

私が知らないだけで、3人は一緒に出かけたことがあるって言ってたし。


事実の中に嘘を紛れ込ませている。

さっきの私と同じだ。



『……あ、今 気づいたんですけど、お姉さんたち昨日同じ電車に乗ってませんでした?』

「えっ?」

『間違ってたらごめんなさい。 でも、少し離れた場所からこっちを見てた人たちに似てるなーって思って。 合ってます?』



……え?

和真は、同じ電車に乗ってた彼女たちに気づいていたの……?

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