学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「……もうっ。 突然撮るのは禁止っ!!」

「あはは、ごめんごめん。 でもさ、突然じゃなきゃ素の顔は撮れないだろ?」



パシャッ


と、もう1度 音が鳴る。



「心の準備は要らない。 無理して表情を作る必要もないよ」

「……でもっ……」

「俺はいつだって自由気ままに撮ってるだろ? だからお前も気負わず そこに居ろよ。 だって俺が撮りたいのは、自然体のお前なんだから」



……ズルい。

そんな風に優しく言って微笑むなんて、本当にズルい。

自然体の私が撮りたいから…って言われたら、もう「急に撮っちゃダメ」なんて言えなくなっちゃうじゃん……。


マルってば、自分の気持ちをストレートに言い過ぎだよ。

聞いてるこっちが恥ずかしくなってくるし……。


なんか…朝に喋ってた時と立場が逆転してしまった。

あの時は私がストレートに色々言って、マルが恥ずかしがってたけど……今は私の方が恥ずかしい。



「……そんな恥ずかしいセリフを言えるのはマルくらいじゃない? 聞かされた私の方が恥ずかしいよっ」

「なんじゃそりゃ。 つーか、お前だって結構色々と……」

「アレはアレっ、コレはコレですっ」


「おいコラ、理不尽すぎだろ」



なんて言葉を交わしてる時にも、また パシャッ と写真を撮られた。

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