学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
……撮ってもいいよ、なんて言わなきゃよかったかもしれない。
なんか、隙あらば…って感じで撮られまくってる……。
「ちょっとマルさんっ、撮りすぎじゃないですかっ……!?」
「どこがだよ。 俺は被写体を決めたら毎回余裕で10枚は撮るっつーの。 フォルダ見てるんだから知ってるだろ?」
「私の時は2枚までにしてくださいっ……!!」
「無理。 何がなんでも撮りたい という自分の気持ちには抗えない」
マルはそう言いながら キリッ と表情を引き締めたけれど、なんか…うん……とても残念な雰囲気が漂ってる……。
……でも、そういうところも好きだけどね。
写真のことになると、真っ直ぐ過ぎるくらいに真っ直ぐで……馬鹿でアホでマヌケでも、やっぱり愛おしい。
だからね、マル。
私も本当は…マルのことを撮りたいって思ってるんだよ。
楽しそうに笑うマルのことを……一緒に過ごしてるこの瞬間を、写真に残しておきたいって思ってるんだ。
「……マル、あのさ……」
「うん?」
「……そのうち私も、マルのことを撮ってもいい?」
意を決して言う。
言って…しまった。
「あのっ……私はマルみたいに上手には撮れないけど、でも…マルのことを撮ってみたいなって思ったの。 ……だから、いい……?」