学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「うっわ、そこで撮るのかよっ。 俺メチャクチャ気ぃ抜いてたんだけどっ」

「……おかげさまで良い写真が撮れましたっ」



撮ったばかりの写真をマルに見せる。

オート機能で撮ったからか、ほとんどブレもない。



「うわー、自分の顔なんて撮られたの何年ぶりだろ」



……ってマルは言うけど、きっと盗撮はいっぱいされてるんだろうなぁ……。

まぁ、今の楽しい時間を壊したくないから、それは黙っておくけどね。



「……ははっ、俺こんな顔してた? ヤバいなぁ、マジで気ぃ抜き過ぎじゃん」

「マルが言う、自然体ってやつだね」

「だな」



そんなことを言いながら、二人でまた笑い合う。

その時……、



パシャッ


……と、いう音が響いた。

写真を撮ったのは……ニヤリと笑うマル。


携帯はさっき机に置いたはずだったのに、いつの間にか持ってるし……。



「笑顔の写真ゲット」

「えぇ…どんだけ素早いのー……。 さっき携帯を置いたから安心してたのに……」

「うん、実は撮るタイミングを窺ってたんだ。 撮られたら撮り返すっ」



……なんかちょっと違う気がするけど、でも、一瞬のうちにカメラを構えられるのは さすがだなぁ……。

マルと同じように写真好きな和真なら出来るかもしれないけど、私には不可能だ。

< 124 / 259 >

この作品をシェア

pagetop