学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「うっわ、そこで撮るのかよっ。 俺メチャクチャ気ぃ抜いてたんだけどっ」
「……おかげさまで良い写真が撮れましたっ」
撮ったばかりの写真をマルに見せる。
オート機能で撮ったからか、ほとんどブレもない。
「うわー、自分の顔なんて撮られたの何年ぶりだろ」
……ってマルは言うけど、きっと盗撮はいっぱいされてるんだろうなぁ……。
まぁ、今の楽しい時間を壊したくないから、それは黙っておくけどね。
「……ははっ、俺こんな顔してた? ヤバいなぁ、マジで気ぃ抜き過ぎじゃん」
「マルが言う、自然体ってやつだね」
「だな」
そんなことを言いながら、二人でまた笑い合う。
その時……、
パシャッ
……と、いう音が響いた。
写真を撮ったのは……ニヤリと笑うマル。
携帯はさっき机に置いたはずだったのに、いつの間にか持ってるし……。
「笑顔の写真ゲット」
「えぇ…どんだけ素早いのー……。 さっき携帯を置いたから安心してたのに……」
「うん、実は撮るタイミングを窺ってたんだ。 撮られたら撮り返すっ」
……なんかちょっと違う気がするけど、でも、一瞬のうちにカメラを構えられるのは さすがだなぁ……。
マルと同じように写真好きな和真なら出来るかもしれないけど、私には不可能だ。