学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
そう言ったあと、和真はどこか遠くを見ながら微笑んだ。
「姉ちゃんってさ、今は休日ヒッキーだけど…昔はもっと活発的だったんだよ。 外で遊ぶのが好きだったし、運動会と学習発表会も好きだったなぁ。 毎年かなり目立ってたよ」
「え、マジで?」
「マジで」
……今とは丸っきり逆だ。
美麗がそんなに活発的だったなんて、まったく想像が出来ない……。
「だけどね、本当はずっと無理してたんだと思う」
「……え?」
「姉ちゃんの小学校時代の友達に聞いたことがあるんだけど、「似合わない名前」って、男子に言われることが多かったみたいだよ」
「……」
「本人は笑い飛ばしてたらしいけど、内心は色々思ってたんじゃないかな」
……そうか。
小学校時代の美麗は、ずっと…そんな状態の中を生きてきたのか……。
やっぱり俺、最悪だ。
美麗の嫌がってることを平気で言って、傷つけて……ツラい思いをさせた。
許してもらえてよかった…じゃねぇだろうが。
「ねぇ円くん、初めて公園で会った時さ…姉ちゃんに謝ってたじゃん? 名字と名前がどうとか…って。 あれって、やっぱり やらかしちゃってた?」