学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……俺の携帯はトラん家で充電中。 今、近くに和真は居ないよ。 一緒にコンビニに行こうってなったんだけど、喋ってるうちに…色々聞いてさ。 それで携帯を借りて、美麗に電話したんだ」
まぁ…厳密には携帯を押しつけられたんだけどな。
でも細かいところはどうでもいい。
だって、「美麗と話す」って決めたのは俺自身だから。
じゃなきゃ呼び出し音の段階で切ったし、たとえ繋がったあとだとしても、「間違ってかかった」と言って切ればいい。
だけど、そうしなかったのは……ちゃんと話したいって思ったからだ。
「……和真に、小学校時代の話を聞いたよ。 名前のこと…男子に色々言われてたんだってな」
『あぁー……うん、「似合わない」とか「名前負けしてる」とか、しょっちゅう言われてたねぇ……』
「あのさ、美麗。 前にも言ったけど…お前の気持ちを考えずに、名前のことを酷く言ってごめんな」
『……えっ? もしかして、それを言うためにわざわざ電話してきたの?』
「え? いや、だって……酷いこと言っちまったのに、今は普通に喋ったりしてるだろ? でもそれ、本当は無理してんのかなって思って…色々と……不安になって……」