学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


言いながら、少しずつ気持ちが落ち込んでいく。

楽しいって思ってたのは俺だけなのかな…とか、気づかずに無理させてたら嫌だな…とか、これからどうすればいいのかな…とか。

考えれば考えるほどに、胸の奥が痛くなる。


だけどそんな俺とは違って、電話の向こうから聞こえた声はビックリするくらいに明るいものだった。



『もーっ、そんなの気にしなくていいのにっ。 だって私とマルは、お互いに ちゃんと謝ったでしょ? 私はマルを許したし、マルも私を許してくれた。 だからもういいんだよっ』

「……本当にそう思ってるか? 無理して言ってるんじゃ……」

『だーかーらぁー、無理する必要なんてないって言ってるのっ』



不安がる俺の言葉をバッサリ斬り、美麗は言った。



『大丈夫だよ』



と、力強く…真っ直ぐに。



『私、マルと一緒に過ごす時間が好きなの。 周りに人が居る時は難しいけど……でも信じて欲しい。 楽しいって思う気持ちも、笑顔も、真っ直ぐな言葉も……マルの前だから素直に出せるんだよ』

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