学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
『マルはマルらしく、写真を撮り続けていけばいいと思うよ』
「……うん、ありがとう。 俺は俺らしく写真を撮っていくよ。 写真を撮るまでの過程は…ほどほどに自重しながらな」
『ふふっ…これからも、見るのを楽しみにしてるね』
「おう、任せとけ。 ……っと、そろそろ切るよ。 これ以上 和真の携帯を使っちゃ悪いし、コンビニに行って早く合流しなきゃ」
『うん、わかった。 あ、和真にさ、あんまり遅くなりすぎないようにって伝えてくれる?』
「りょーかい、じゃあまたな」
俺の言葉に「じゃあね」と返してきた美麗の声を聞いたあと、電話を切った。
美麗との会話は5分もなかったけれど、なんだかとても満ち足りた気分だ。
「……マジで、サンキューな」
空を見上げながら微笑み、美麗を想う。
やっぱり俺、美麗が好きだ。
一緒に過ごしてるうちに、どんどん好きになっていったんだ。
かなり貴重で特別な存在。
だからずっと一緒に居たい。
本当に…心の底から そう思ってる。
……でもこれは、言えないな。
言ったらまた迷惑をかけてしまうし、それに……きっと信じてはもらえない。
だって俺、つい最近まで「唐草 美麗」が好きだったから。