学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


好きで好きで、ストーカーまがいのことまで しそうになるくらいに好きだった。

美麗はそんな状態の俺を知ってるし、「唐草 美麗」こと和真に 真実を告げられて撃沈したことも知っている。

……知られてるからこそ、難しいんだよな……。


恋に破れ、また別の恋をする…っつーのは普通のことだと思う。

でも問題なのは、「失恋してから まだ数日しか経っていない」ということだ。


ここで俺が「お前が好きだ」…なんて言ったって、これまでの経緯を知ってる美麗が 素直に受け入れてくれるわけがない。


自棄(やけ)になってる…って思われるだろうか。

「唐草 美麗」が男だったから その姉でいいや…とか思われたら最悪だ。


そんな気持ちはまったくないけど、美麗はきっと信じない。

たとえ信じてくれたとしても、また周りの目を気にするんだろうな。

自分を卑下して、俺と距離を取って…今までみたいに笑って話すような関係では なくなってしまうかもしれない。



「……とりあえずは現状維持…かな……」



今の楽しい時間を守るために、自分の気持ちを押し殺す。

猪突猛進しちまう人間だけど……そこは絶対に間違わない。

今は我慢する。

言いたくなってもジッと我慢だ。


そして…いつかは伝えるよ。

俺の気持ちを…嘘偽りなく真っ直ぐに。

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