学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……って言っても、美麗にその気がなけりゃ結局は失恋…か」
苦笑気味に笑いながら歩き出す。
目的のコンビニまでは、あと1分もかからない。
そんな中で、俺はまた静かに空を見上げた。
……想いが通じ合えば最高だけど、たとえ失恋したとしても…信じてもらえるのなら それでいい。
とか思いつつ、失恋したらクソみたいに荒れるんだろうなぁ。
きっと、「唐草 美麗」が男だったと知った日以上に。
「……まぁ、今 考えても仕方ねぇや。 現状維持だ、現状維持」
自分に言い聞かせるように言ったあと、コンビニの中へと入る。
先に来ていた和真は、真剣な顔でお菓子コーナーの前に居た。
カゴの中には既にジュース数本が入れられている。
「和真、お待たせ」
「円くん。 姉ちゃんとゆっくり話せた? 全然大丈夫だったでしょ?」
「うん、サンキューな。 それと、美麗から伝言。 遅くなりすぎないようにねってさ」
「あはは、りょうかーい」
携帯を手渡すと、和真はニコッと笑って見せた。