学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


だけどそのあとはまた、お菓子を見ながら真剣な顔をし始めた。



「ねぇねぇ、お菓子を300円分 買いたいんだけど、どれがいいと思う? やっぱりみんなで分けられるラムネとかグミがいいかなぁ」

「お前は遠足に行く前の小学生か? 好きに選べよ、俺 奢るから。 電話貸してくれたお礼な」

「え、ほんと? ありがとうっ」



和真はパァッと目を輝かせ、チョコやスナック菓子をカゴに入れ始めた。

……ははっ、さすが姉弟。

最初は 似てる部分なんて1個もないって思ったけど、こうやって一緒に居るとよくわかる。

美麗と和真……この姉弟は、笑顔がそっくりだ。


なんで今まで気づかなかったんだろう。

……第一印象があまりに違っていたからか?

美麗は心底嫌そうな顔で俺に声をかけてきたけれど、和真は屈託のない笑顔を俺に見せて、常に明るい声だった。


美麗の印象はマイナスで、和真の印象はプラスでスタートした。

二人の印象が同じ域になった今だからこそ、俺は気づけたんだと思う。

< 141 / 259 >

この作品をシェア

pagetop