学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
だけどそのあとはまた、お菓子を見ながら真剣な顔をし始めた。
「ねぇねぇ、お菓子を300円分 買いたいんだけど、どれがいいと思う? やっぱりみんなで分けられるラムネとかグミがいいかなぁ」
「お前は遠足に行く前の小学生か? 好きに選べよ、俺 奢るから。 電話貸してくれたお礼な」
「え、ほんと? ありがとうっ」
和真はパァッと目を輝かせ、チョコやスナック菓子をカゴに入れ始めた。
……ははっ、さすが姉弟。
最初は 似てる部分なんて1個もないって思ったけど、こうやって一緒に居るとよくわかる。
美麗と和真……この姉弟は、笑顔がそっくりだ。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
……第一印象があまりに違っていたからか?
美麗は心底嫌そうな顔で俺に声をかけてきたけれど、和真は屈託のない笑顔を俺に見せて、常に明るい声だった。
美麗の印象はマイナスで、和真の印象はプラスでスタートした。
二人の印象が同じ域になった今だからこそ、俺は気づけたんだと思う。