学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
和真は納得したように頷いたあと、オレンジ色に染まり始めた空を見上げた。
少しだけ、申し訳なさそうな顔をしながら。
「円くんに教えてもらった撮影スポットなのに、なんか…横取りした感じになっちゃって ごめんね」
「それ、美麗にも謝られたぞ。 「弟が撮影スポットを横取りしちゃってごめん」って」
「……え、そうなの?」
「うん。 で、その時 俺はこう言ったわけ。「あの場所は俺の持ち物じゃないし、誰がどう撮ろうが自由だろ?」、「いい写真が世界中にシェアされて、みんなが写真に興味を持ってくれるのなら それでいいんだ」ってね」
メチャメチャ強がって…な。
まぁ結局そのあとポロッと本音を溢しちゃったけど。
……でもあの時は嬉しかったなぁ。
だって美麗が、俺の写真が1番好きって言ってくれたから。
そんな風に思ってくれているっていうのが ちゃんと伝わったから……俺は笑顔になることが出来たんだ。
……っと、ヤバいヤバい。
ニヤけるのは家に帰ってからにしよう。
「……えーっとな、うん、アレだよアレ。 俺は懐が広い人間だから、そういう細かいところは まっっったく気にしないわけ。 だからお前も気にする必要なんかねぇよ?」