学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「……とりあえず、写真のことはマジで気にすんなよ?」

「うん、了解。 あと、髪の話も…ふふっ……あんまり気にしないようにするね」

「俺を見るたびに笑いそうだなこの野郎。 ほら、もうトラん家だから笑うのは やめい」


「うん」



と返事をしながらも、和真はクスクスと笑っている。

それに呆れつつ、俺は自分の家に帰ってきたかのようにトラの家の玄関を開いた。


小学校の頃からお互いの家に行ったり来たりしてるから、こうやってトラの家に上がり込むのは すっかりお馴染みの光景だ。

廊下を進んだ先にある階段を上り、2階へ行く。



「トラ、ただいま」



ドアを開けて声をかけると、ベッドに座って携帯を見ていたトラが 視線をこっちに向けた。



「おかえり」



優しい笑顔と、穏やかな声。

いつもと変わらないトラに ただただホッとしながら、俺もまた笑顔を見せた。



──その後 俺たちは、買ってきたジュースをたらふく飲み、お菓子の食べ比べをしながら笑い合い、心行くまで楽しんだ。


和真が帰ったのは、18時半。

俺とトラは 僅かに残ったお菓子を食べながら、部屋の中で まったりと過ごしていた。

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