学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
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その日の夕方。
私よりも30分遅く家に帰ってきた弟 和真に、昼休みのことを話すと……、
「へぇー。 姉ちゃん、マルに会ったんだ?」
……と、興味津々に聞かれてしまった。
「本名は時雨 円くん、ね。 マジで姉ちゃんと同じ学校だなんて、世間は狭いなぁー」
「感心してる場合じゃないから。 今日 私がどんなに嫌な思いをしたか……」
「ごめんごめん。 でも円くんイケメンだし、二人きりで話せてラッキーだったんじゃない?」
「イケメンなんかと喋りたくないし。 ……って、なんで時雨くんがイケメンだって知ってるの? まさか、もう写真が……?」
「うん、さっきDMで届いたよ。 ほら」
和真は慣れた手つきで携帯を操作したあと、画面を私に見せた。
そこに表示された写真に写っているのは……マスクで鼻と口を隠しているものの、紛れもなく時雨くんだ。
マスクをつけててもイケメンだとわかる。
さすが、超絶イケメン。