学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


まぁ…かく言う俺も、楽しみ過ぎて4時過ぎには起きてたけどさ。

でも俺は遠出に慣れてるから、ペース配分はしっかり出来る。 ……と思う。

対する和真は、近隣での撮影が主だと言っていた。

現に「唐草 美麗」がアップする写真は、俺の知ってる場所ばかりだ。


そして和真の姉、美麗は……休日引きこもり。

当然、遠出なんてまったくしないよな……。


うーん……これは、マジで心配だ……。



「円くん、早く早くっ」

「マル、置いてっちゃうよー?」



……って、俺の心配をよそに 和真は相変わらず元気いっぱいで、美麗もまた躊躇なく俺に声をかけてくる。


あぁチクショウ…美麗の奴、周りに人が居ないからってメチャクチャ笑顔じゃねーか。

俺がどんだけ心配してるかなんて気づきもせずに笑うなんて、ほんっとにもう……可愛すぎだろっ……。






「マル。 いっぱい楽しもうね」



……くそぉ。

無邪気にそんなこと言われたら、頷くしか出来ないじゃん。



「……お前ら、寝不足の変なテンションで無茶なことはするなよっ?」



と声をかけるのが精一杯。

それに対する二人は、よく似た笑顔を見せながら俺に頷き返した。

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