学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……お前、相変わらず恥ずかしいセリフをポンポン出すのな」
平静を装いながら言うけれど、俺の顔 絶対に赤い……。
「……一緒に来てくれてサンキュ」
嬉しすぎて声が上ずりそうになる。
それを必死に抑えつつ、美麗から視線を外した。
「私の方こそ、一緒に居てくれてありがとう」
と言う、とても優しい声を聞きながら……。
──……その後、俺たちはほとんど会話することなく過ごした。
乗客は少しずつ増えていったけど、座席には ところどころ空きがある。
周りの人に注目されることもなく、無事に目的地近くの駅で降りることが出来た。
前回は多分、男3女1という妙な組み合わせだったから目立ってしまったんだと思う。
おまけに、人が多い午後の時間に立って乗ってたし……。
今回も男2女1だから多少は注目されるだろうと思ってたけど、そもそも乗客自体が少ないから 目立つはずもない。
やっぱり早朝にして正解だった。
早起きは少ししんどいけど、これならまた美麗を誘っても大丈夫そうだ。
……と思いながら改札を抜けると、大きなあくびをする和真が俺を見た。