学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
グーッと背伸びをしながら、美麗が笑う。
「それに私、写真を撮ってるマルが見たいって言ったでしょ? だから一緒に居たいんだ」
「……ん、わかった。 じゃあ…一緒に行こう」
「うん」
そっと手を差し出すと、美麗は躊躇うことなく自分の手を重ねてきた。
……まるで恋人同士みたいだな。
なんて想像したら、顔がまた一気に赤くなる。
俺の気持ち、完全にバレたかな…と思いながらチラリと横を見るけど、美麗はキョロキョロと辺りを見回しながら、楽しそうに笑っていた。
見たことのない花を見れば目をキラキラと輝かせ、小鳥が木に止まっているのを見れば興奮気味に声を出す。
どれもこれも当たり前の日常の中にあるものなのに、美麗にとっては全部が全部 新鮮な光景らしい。
カメラを構える俺よりも大興奮だ。
まったく、本当に……一人でドキドキしてるのが馬鹿みたいじゃないか。
「マルっ、ここからの景色 すっごく綺麗だよっ」
いつもよりも楽しそうで、浮かれた笑顔。
そんな美麗をこっそり写真に収めたあと、俺もまた笑みを浮かべた。