学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「あ…ごめんっ、なんかボーッとしちゃってたっ……」
「ったく……だから電車で寝とけって言ったじゃん。 少し座って休んだら?」
「……うん、そうするっ」
レジャーシートを広げて、ちょこんと座る。
マルは、そんな私の隣にドカッと腰を下ろした。
それからカバンの中をゴソゴソと探り、モバイルバッテリーを取り出した。
それを携帯に繋ぎ、充電を始める。
一連の動作のあと、マルはレジャーシートの上に寝転んだ。
そのまま携帯を操作して……不意に笑みを浮かべた。
「やっぱり、「唐草 美麗」は凄いなぁ」
「SNSを見てるの?」
「うん。 和真の奴、今日撮った写真をもうアップしてるよ」
そう言われたから、私も自分の携帯でSNSを開くことにした。
和真の…「唐草 美麗」のページを見ると、既に3枚の写真がアップされていた。
まだ誰も居ない遊具エリアを写したものと、雲の間から覗く僅かな青空を写したもの。
そして、今にも木から飛び立とうとしてる小さな鳥の写真。
どの写真にも 既にたくさんの「いいね」がついていた。