学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
二人に迷惑かけたくないから合流はしない、先に帰ってて。 ……って言ったのに、これ絶対に俺の居場所を探すために電話してきてるよなぁ……。
俺のことは心配しないで素直に帰りゃいいのに。
むしろ二人っきりなんだから、俺のことなんか気にしないで二人の時間を楽しめばいいのに。
……まぁ、余計なことを口出しすると怒られるから、面と向かっては何も言わないけどね。
「……さーてと、これからどうしようかなぁ」
人の居ない場所…は、俺よりも円くんの方が知ってるよなぁ……。
そういう場所を探して歩いてたら、あっという間に二人と合流しちゃいそうだ。
敢えて人の多いところに行くとか?
……でも そうすると写真は撮りづらくなる…か。
気ままに撮りたいのに、制限ばっかりになるのはしんどい。
家族連れに変な目で見られるのも嫌だし。
じゃあどこに?
どこに行けば写真が撮れるだろう?
「んー……サッパリわかんない。 とりあえずトイレにでも行くか」
確か、トイレの前に公園内の見取り図があったはずだ。
それを見ながらどこに行こうか考えよう。
と思ったからトイレに向かって来たけれど……、
「もしかして唐草 美麗さん?」
……こんなにもアッサリと声をかけられるなんて、思ってもいなかった。