学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
一生懸命に言葉を繋げて、俺が気にしないようにと努めてくれている。
……全部だだ漏れで見えちゃってるけど、でも…嬉しい。
育美ちゃんは、凄く優しい子なんだな……。
「……ありがとう、育美ちゃん。 知らず知らずのうちに迷惑かけちゃってごめんね」
「どういたしましてっ。 ということで、お礼はツーショット写真でよろしくっ」
「うん」
楽しそうに笑う育美ちゃんを見ながら、俺も笑みを浮かべた。
その後 俺たちは、周りに人が居ない開けた場所でツーショット写真を撮った。
俺のデジカメで1枚、そして育美ちゃんの携帯で1枚。
どちらも同じような構図だったけど、育美ちゃんはとにかく嬉しそうな顔だった。
「わあっ…ありがとうっ、ほんっとうにありがとうっ……!!」
「大袈裟だなぁ」
「だって和真くんの大ファンだからっ。 もうこんなチャンス、一生訪れないよっ……!!」
……そんなことないと思うけどね。
だって俺、この公園にまた来たいって思ってるし。
きっと月に1回くらいは来るんじゃないかな。
……小遣いが尽きない限りは…だけど。