学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
ハァ……。
ほんっとにこの馬鹿は、馬鹿なんだから……。
同じ県内で、更に同じ市内に住んでるってわかって親近感が湧いたんだろうけど……さすがにコレは呆れる他ない。
相手が超絶馬鹿の時雨くんだったから まだ良かった。 ……と思うしかないか。
「……もうこれ以上は、余計なこと言わないでよ?」
「わかってるわかってる」
「間違っても、DMで「円くん」とか呼んじゃダメだからね?」
「あ、そっか。 マルの本名は姉ちゃんに聞いたから知ってるけど、マル本人からは聞いてないもんね。 危ない危ない」
……本当に大丈夫だろうか。
また うっかりがありそうで不安だ……。
「和真。 ほんっとうに頼むよ? 私が「唐草 美麗」の姉ってことは、絶対に絶対に知られたくないんだからね?」
「オッケー、任せといてー」
お気楽な返事をする和真を見てるとやっぱり不安は拭えないけれど、それでも私は弟を信じるしかなかった。