学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
【 サンキュ。 気をつけて帰れよ? 】
と言われたから、【大丈夫だよー】と返信する。
その後。
乗る予定だった電車をトイレの中で やり過ごし、ロータリーに戻った。
姉ちゃんも円くんも居ない。
二人とも ちゃんと電車に乗ったみたいだ。
「さーてと、これからどうしようかな」
見知らぬ土地で一人きり。
次の電車まで45分もあるし……どっかで写真を撮ろうかな。
写真を撮り始めたら45分なんて あっという間だし。
ん?
ていうか、別に45分後の電車に乗らなくてもいいよね?
遅くなりすぎなければ いつ帰るかは自由に決められるじゃんっ。
……よっしゃ、写真撮りまくるぞっ。
SNSの方がどんだけ荒れてるかは わからない。
公園で投稿したあと、ずーっと見てないからね。
でもまぁ…ネット上で文句を言う人は居ても、わざわざリアルで会いに来る人は居ないっしょ。
もしも会いに来たとしても、今現在 俺がどこに居るかはわからないはずだ。
大丈夫。
俺は自由に動ける。
今までも、これからも。
「……」
電話帳を開き、登録したばかりの育美ちゃんの携帯に電話をかける。