学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


駅から離れ……大通りから1本入った小道を どんどん進んでいく。

しばらく離れた状態で歩き続け、周りに人が居なくなった時に やっとマルが私の隣に並んだ。



「なぁ、これから俺ん家に来ない?」

「……えっ?」



マルの…家……?



「予定よりも早く戻ってきたけど、まだ帰らなくて大丈夫だろ? でも人混みの中には行きたくないし。 つーことで、俺ん家どうよ?」

「ど、どうよ…って……」

「SNSに上げてない写真、大量にプリントアウトして保存してあるけど」


「行きますっ、見たいですっ」



……って、写真に釣られてメチャクチャ元気よく返事をしてしまった。

そんな私を見るマルは、なんだか楽しそうな顔してる。



「どんだけ俺の写真が好きなんだよ」



そう言いながら、ポンと私の頭を叩いた。



「行こう」



と短く繋げたあと、マルは私の手を引っ張って歩き始めた。


会話はない。

ていうか、何を話せばいいのか わからないくらいに緊張していた。


どうしよう。

写真に釣られて ついうっかり「行く」って言っちゃったけど……私、これからマルの家に行くんだ……。



も、もしかして二人きりかなっ……!?

いやっ、おうちの人が居たら居たでメチャクチャ緊張するけどっ。

でも「二人きり」の方が もっともっと緊張する……。


あぁどうしよう。

心臓…バクバクだ……。

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