学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……」
指定されたソファーの隅に、ちょこんと腰を下ろす。
誰も居ないとわかっていても、やっぱり緊張はほぐれない……。
それから5分くらい経っただろうか。
ようやくマルがリビングに戻ってきた。
「はい、写真。 なんか飲み物取ってくるな」
「あ、ありがとうっ……!!」
テーブルに積まれた、5冊の分厚いアルバム。
その1冊を手に取って開くと……たくさんの写真が目に飛び込んできた。
「わぁ……」
梅、桜、チューリップ。
菜の花に、カーネーション。
名前のわからない花もたくさん撮られているけれど、春の花だというのがすぐにわかる。
よもぎや、ふきのとうの写真も並べられていた。
それから……三色だんごに、桜餅。
桜色のケーキや、イチゴがたくさん乗ったタルトの写真もあった。
……むしろ、花の写真よりも和菓子や洋菓子の写真の方が多いかも?
「はいよ、レモンティー。 ペットボトルのだけど」
「ありがとう。 ……ねぇ、マルって和菓子とかケーキとか、甘いものが好きなの?」
「え? あぁー……うん、実はすげー好きなんだ。 スイーツの食べ放題に行くのが密かな夢だったりする」
「ふふっ…そうなんだね」