学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「……」



指定されたソファーの隅に、ちょこんと腰を下ろす。

誰も居ないとわかっていても、やっぱり緊張はほぐれない……。


それから5分くらい経っただろうか。

ようやくマルがリビングに戻ってきた。



「はい、写真。 なんか飲み物取ってくるな」

「あ、ありがとうっ……!!」



テーブルに積まれた、5冊の分厚いアルバム。

その1冊を手に取って開くと……たくさんの写真が目に飛び込んできた。



「わぁ……」



梅、桜、チューリップ。

菜の花に、カーネーション。

名前のわからない花もたくさん撮られているけれど、春の花だというのがすぐにわかる。

よもぎや、ふきのとうの写真も並べられていた。


それから……三色だんごに、桜餅。

桜色のケーキや、イチゴがたくさん乗ったタルトの写真もあった。

……むしろ、花の写真よりも和菓子や洋菓子の写真の方が多いかも?



「はいよ、レモンティー。 ペットボトルのだけど」

「ありがとう。 ……ねぇ、マルって和菓子とかケーキとか、甘いものが好きなの?」

「え? あぁー……うん、実はすげー好きなんだ。 スイーツの食べ放題に行くのが密かな夢だったりする」


「ふふっ…そうなんだね」


< 204 / 259 >

この作品をシェア

pagetop