学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
いつもは写真を撮ってるマルしか見てなかったから、甘いものが好きだなんて全然知らなかった。
そのうち一緒に行こうか。
……と言おうとしたけれど、声に出す前にやめた。
スイーツ食べ放題に一緒に行きたいけれど、そういう場所こそ 知り合いに会う可能性が高い。
二人で行ったことがバレたら、学校で あっという間に噂になってしまうと思う。
面倒事は避けるに越したことはない。
「……私も、甘いものが好きだよ」
結局、私はそう言って微笑むだけだった。
そんな私に、マルも微笑む。
「そのうち一緒に行こうか」
と、私が飲み込んだ言葉を発しながら……。
「今日は写真を撮るために遠出したけど、今度は食べ放題に行くために遠出しよう」
「……えっ、と……」
「あ、でも食べ放題って普通に混むよな。 知り合いが居なくても、やっぱり人混みは嫌?」
「……ううん、大丈夫。 本当は私も…スイーツ食べ放題に一緒に行きたいって思ってたんだ」
「ん。 じゃあ、いい店がないか色々調べてみようぜ」
「……うんっ」
ドキドキと胸が鳴る。
……マルが私と同じことを思ってくれていたなんて、すっごく嬉しい。
近場を避けて、遠出しようと考えてくれたことも…メチャクチャ嬉しい。
嬉しいし……幸せだ。