学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「……悪い、なんか…うん……すげービックリした」
左手で口元を覆い隠しながら、マルはポツリポツリと言葉を続けていく。
「だって…最初に会った時とか、俺を見てメチャクチャ嫌そうな顔だったし……。 そのあともずっと、俺…自分勝手に行動して、迷惑ばっかりかけてきたから……」
「……一緒に居て、マルのことを知って……好きになったんだよ」
「……」
あぁ……マルがまた無言になってしまった。
私の言葉を聞いて戸惑っている。
迷惑を…かけてしまっている。
「……急に変なこと言って ごめんね。 私の言葉の方が、迷惑をかけちゃったね」
精一杯に笑顔を作る。
……もう帰ろう。
こんな状態で、このあと いつも通りに笑い合うなんて出来ないから。
ここに居たら…涙が溢れ出してしまうから……。
「私、やっぱり今日はもう帰るよ。 せっかくアルバム持ってきてくれたのに、全部見られなくてごめん」
「……」
「SNSの更新、楽しみにしてるね」
ゆっくりと立ち上がり、距離を取る。
そして、数歩離れた その時……マルがポツリと言った。
「……迷惑だなんて思ってないよ。 ていうか、俺も好きだから」
「え……?」
「美麗のことが好きなんだ」