学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


「笑うな、バカ」

「……泣いてる方がいい?」

「……あぁクソッ、泣くのはもっとダメに決まってるだろっ」


「ふふっ……じゃあ やっぱり笑ってる方がいいね」

「……うん、笑ってて。 理由はまぁ、置いとくとして……俺、美麗の笑ってる顔が好きだよ」

「……ありがとう」



……私は、自分の顔が好きじゃない。

両親には悪いけど、どうしてこう…私の顔は微妙なパーツばかり揃ってしまったのだろうか。 と常日頃思ってるからだ。


だけど……不思議だね。

マルが「好き」って言ってくれたら、私は私のことが好きになってきた。

美形の弟、和真を羨ましく思うこともあるけど、でも……私は私らしくしていればいいのかな…って思う。


私は、私を好きと言ってくれたマルの言葉を信じたい。

マルの想いを大切にしていきたいんだ。






「まどかくん」



呼び慣れていない名を ぎこちなく呼ぶ。

それでも真っ直ぐにマルを見つめて、微笑みを浮かべた。



「まどかくんが好きです。 だから私と付き合ってください」



ありきたりだけど、精一杯に想いを伝える。

そんな私に……マルはやっぱり不服そうな顔だった。

< 211 / 259 >

この作品をシェア

pagetop