学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
「笑うな、バカ」
「……泣いてる方がいい?」
「……あぁクソッ、泣くのはもっとダメに決まってるだろっ」
「ふふっ……じゃあ やっぱり笑ってる方がいいね」
「……うん、笑ってて。 理由はまぁ、置いとくとして……俺、美麗の笑ってる顔が好きだよ」
「……ありがとう」
……私は、自分の顔が好きじゃない。
両親には悪いけど、どうしてこう…私の顔は微妙なパーツばかり揃ってしまったのだろうか。 と常日頃思ってるからだ。
だけど……不思議だね。
マルが「好き」って言ってくれたら、私は私のことが好きになってきた。
美形の弟、和真を羨ましく思うこともあるけど、でも……私は私らしくしていればいいのかな…って思う。
私は、私を好きと言ってくれたマルの言葉を信じたい。
マルの想いを大切にしていきたいんだ。
「まどかくん」
呼び慣れていない名を ぎこちなく呼ぶ。
それでも真っ直ぐにマルを見つめて、微笑みを浮かべた。
「まどかくんが好きです。 だから私と付き合ってください」
ありきたりだけど、精一杯に想いを伝える。
そんな私に……マルはやっぱり不服そうな顔だった。