学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


お互い、頭から湯気が出そうなくらいにボボボッと顔が赤くなる。

……顔、直視出来ない……。



「……ほんとごめん。 嫌…だったよな……?」

「う、ううん…その……ビックリしたけど、嫌じゃない…よ……?」

「……そ、そっか。 あ、えっと……もう帰る…か……?」


「えっ? あ、その……どう、しよう…かな……」



うぅ……緊張と恥ずかしさで、上手く話せない……。

二人の距離は 相変わらず近くて、顔を上げればすぐにマルの顔がある。

……この状況…は、どうすればいいんだろう……。






と、その時。



「ただいまぁー。 まどかー、帰ってるのー?」



……玄関のドアがガチャリと開く音がしたあと、明るい女性の声が響いてきた。


家の人が帰ってきたんだっ……!!

と認識するのと同時に、私とマルは秒の速さで離れた。



「お米買ってきたから、運ぶの手伝ってー」

「……今 行くっ」



まだ頬の赤いマルが、呼び声のする玄関へと駆けていく。

残された私は……その場でただオロオロとするだけだった。

< 214 / 259 >

この作品をシェア

pagetop