学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
お互い、頭から湯気が出そうなくらいにボボボッと顔が赤くなる。
……顔、直視出来ない……。
「……ほんとごめん。 嫌…だったよな……?」
「う、ううん…その……ビックリしたけど、嫌じゃない…よ……?」
「……そ、そっか。 あ、えっと……もう帰る…か……?」
「えっ? あ、その……どう、しよう…かな……」
うぅ……緊張と恥ずかしさで、上手く話せない……。
二人の距離は 相変わらず近くて、顔を上げればすぐにマルの顔がある。
……この状況…は、どうすればいいんだろう……。
と、その時。
「ただいまぁー。 まどかー、帰ってるのー?」
……玄関のドアがガチャリと開く音がしたあと、明るい女性の声が響いてきた。
家の人が帰ってきたんだっ……!!
と認識するのと同時に、私とマルは秒の速さで離れた。
「お米買ってきたから、運ぶの手伝ってー」
「……今 行くっ」
まだ頬の赤いマルが、呼び声のする玄関へと駆けていく。
残された私は……その場でただオロオロとするだけだった。