学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
……え。
まさかマル…外に出されちゃった……?
ということは…えっと……マルのお母さんと、二人きりで会う…ってこと……?
パタパタパタッ…とスリッパで駆ける音がする。
その直後、リビングのドアが バーンッ と開かれた。
「こんにちはー、いらっしゃーいっ」
「……えっ…あっ、こんにちはっ……!!」
「あらぁ、初めましてー。 時雨 円の母ですー」
「あ、あの私っ…早乙女 美麗と言いますっ……!!」
「よろしくね、美麗ちゃんっ」
楽しそうに言った女性は、私のことを上から下までジーッと見たあとに微笑んだ。
「ねぇ美麗ちゃんっ、不躾で悪いんだけど、美麗ちゃんはうちの馬鹿息子と付き合ってるのよねっ?」
「あっ…はいっ……!!」
「そうっ、よかったわぁ。 うちの馬鹿息子、いつでもどこでも写真写真写真…でしょう? だから一生独身で居るつもりなのかと思って心配してたのよ。 美麗ちゃんっ、結婚式は盛大にやりましょうねっ」
「えっ」
「あぁもう今から楽しみだわぁ。 真っ白いドレス、素敵よねぇーっ」
……えっと、なんか…うん……。
マルが面倒臭そうにため息をついた理由がわかった気がする……。