学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です
パワフルなお母さんに すっかり気圧されてしまった、その時……、
ドンッ ドンッ ドンッ
……と、リビングの窓から大きな音がした。
そこに居たのは……眉間にシワを寄せて不機嫌そうにするマルだった。
「あら、もう来ちゃった」
ドンッ ドンッ ドンッ !!
「はいはい、今 開けるわよー。 美麗ちゃん、また喋りましょうねっ」
……ほとんどお母さんが喋ってたような……。
と思ったけれど、たった1分の会話でぐったりしてしまった私は、そのまま笑顔で頷くだけだった。
カラカラカラ……と窓が開く。
「……母さんっ、美麗に馬鹿なこと言ってないだろうなっ!?」
「あら、楽しくお喋りしてただけよ。 ていうかアンタ、こんな時間から彼女を家に連れ込んで何やってるの? 美麗ちゃんに変なことしてないでしょうね?」
「……してねぇよっ」
本当はキスしちゃいました。 ……なんてことは さすがに言えないから、マルは全力で否定し、私も否定の意味で何度も首を横に振った。