学年1のイケメンが探してる美少女は うちの弟です


……一人になると、ダメなことばかりを考えてしまう。

マルが一緒に居ると…そんな気持ちは全部吹っ飛んでしまうのに。



「……早く、会いたい……」



一人が怖い。

そばに居たい。

寂しい。

……ツラい。


涙が…溢れ出しそうだ。



「……」



ソファーの上で膝を抱え、顔を埋める。



「早く帰ってきてよ…馬鹿マル……」



そう願っても、マルはまだ帰ってこない。

帰ってくる気配すらなかった。



……その後、マルが戻ってきたのは出かけてから20分以上経った時だった。






「うわっ、どうしたっ!?」



ソファーの隅で膝を抱え、シクシクと泣く私……。

それを見たマルはとにかく驚いた顔で、ケーキをテーブルに置いたあと私の隣に腰を下ろした。



「な、何があったんだ……?」

「……10分で戻るって言ったのに、嘘つきー……」

「悪い、メチャクチャ混んでたんだ。 ……つーか、そんなことで泣いてたのか?」


「それだけじゃ…なくて……「唐草 美麗」に嫉妬しておりました……」

「は? ……あ、これ見たのか」



マルが、開きっぱなしだったアルバムを手に取る。

「唐草 美麗」のページを眺めるマルを見て、何故だかもっともっと涙が溢れ出してきた。

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